Yusuke's Blog

表象文化の卵

紹介したい映像や書籍を好きなだけ紹介するブログ

【映画分析】『名探偵ピカチュウ』とフィルムノワール(※ネタバレあり)

 

 

はじめに

 名探偵ピカチュウを見ていて考えたことを書きます。「ポケモン」というハッピーな題材にもかかわらず、どこか陰鬱な雰囲気の画面と、その町並みはまるでサイバーパンク物であったことが書こうと思ったきっかけです。

 

あらすじ

21歳のティムは、長い間会っていなかった父ハリーが事故で亡くなったという連絡を受け、人間とポケモンが共存する街・ライムシティを訪れた。探偵業を営んでいたハリーの部屋で、ティムは1匹のピカチュウと出会う。なぜかティムにはそのピカチュウの声が成人男性のものに聞こえ、話す内容も理解することができた。ピカチュウは自らが記憶喪失であることを明かし、自分はハリーのパートナーだったはずであること、自分が生きているのだからハリーも生きているに違いないことをティムに訴える。ティムとピカチュウは、新米記者ルーシーの協力のもと、ハリーが事故の前に追っていた謎の薬品を巡る事件について調べ始める。

名探偵ピカチュウ (映画) - Wikipedia

 

なぜフィルムノワール的な雰囲気?

 ポケモンといえば、アニメではサトシが青い空の下、元気に冒険を繰り広げるイメージ。しかしながら、本作の画面に映し出されたポケモンの世界はどこか暗い。 

その理由について、監督のロブ・レターマンはこう語っている。

ピカチュウが探偵なのでフィルム・ノワール的な世界観を描くことは、既に制作側が決めていたという。しかし、それを魅惑的な映像に仕上げたのはレターマン監督の手腕だ。

「そのコンセプトに沿いながら、自分の大好きなさまざまな映画をパレットに並べて、それで画を描いていくように映画を作っていきました。パレットに並べたのは、まず『第三の男』などモノクロの古典的なフィルム・ノワール映画。それからフィルム・ノワールを意識した70年代のネオ・ノワールも。
ブレードランナー』も僕にとってはフィルム・ノワールです。それに日本のアニメ『AKIRA』、僕はあのアニメを見て育ちました。あの映画に出てくる都市、"ネオ東京"の色調は重要です。あの超高層ビル群も。そして『2001年宇宙の旅』などのSF映画。70年代の探偵映画や警官映画のギラギラした映像。黒澤明監督の『天国と地獄』。そういう映画をすべて参考にしました」-『名探偵ピカチュウ』を生み出したロブ・レターマン監督来日インタビュー - SCREEN ONLINE(スクリーンオンライン)

確かに『名探偵ピカチュウ』に出てくる街「ライムシティ」は、『ブレードランナー』や『AKIRA』に出てくるような近未来的なのにどこかジメジメして雑多な雰囲気。

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名探偵ピカチュウ

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名探偵ピカチュウ

上記が名探偵ピカチュウの町並み。

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ブレードランナー 町並み

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AKIRA 町並み

上記『ブレードランナー』と『AKIRA』。ただ暗いだけでなく、ネオンが怪しげに光っているところも似ている。監督はこの理由を「ピカチュウが探偵だから」としていたが、他にも理由はあると考える。それはやはり『AKIRA』が関係していると考える。

 

『名探偵ピカチュウ』と『AKIRA

 名探偵ピカチュウでは、超能力を操るポケモンミュウツー」の力を手に入れようとするハワード・クリフォードという権力者兼研究者が登場したが、結局ピカチュウ達に阻まれ、逮捕されてしまう。それはまるで『AKIRA』で超能力者を手に入れ、コントロールしようとして失敗した軍や鉄男とイメージが重なる。

 ストーリーだけでなく、映像においても類似する点がある。ミュウツーを格納する球体や荒れ果てた超能力研究所は、AKIRAを格納していた球体や研究所と近似している。

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暴走した鉄男の下にある球体に"アキラ"を格納している

  さらに「ホログラム」や頭に取り付けてポケモンに意識を投下する装置など、『名探偵ピカチュウ』には"科学"の要素が多く詰め込まれており、それを使う側が悪役であるところも典型的なサイバーパンク物である。

 一見子供向けの映画だが、フィルムノワールサイバーパンクの要素、さらに過去の映画のメタファーがふんだんに詰め込まれた『名探偵ピカチュウ』は映画好きの玄人でも楽しめるだろう。

【映画分析】2001年宇宙の旅(モノリス等について考察)

 

2001年宇宙の旅 (字幕版)

2001年宇宙の旅 (字幕版)

 

 現在プライム会員なら無料で観れる、スタンリー・キューブリック作「2001年宇宙の旅」についての映画分析です。

かなり長い文章になっています。

 

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  • 概要

 1968年にアメリカで公開されたこの映画は「時計じかけのオレンジ」や「博士の異常な愛情」で知られるSF映画の巨匠であるスタンリー・キューブリックによって制作された作品である。その後、アーサー・クラークによって小説化され、「2010年宇宙の旅」で続編が出版され、その後2冊の続編が出版された。当時の最新技術を駆使した撮影技術は見るものを圧倒し、後のSF映画に多くの影響を与えたといわれている。また、キューブリックの作品は音楽に特徴あるものが多く、この映画も全篇にわたって有名なクラシック音楽が使われており、これまでのSF映画では電子音楽が主流であったが、これ以後のSF映画ではクラシック音楽が使われるようになった。

 

  • 解説

 この映画は役者が言葉を発することが少なく、ナレーションも説明もないため非常に難解であり、意味の分からない部分が多い。それら理解できない箇所について、解説していきたい。

 

1.謎の黒い石碑について                 f:id:yusuke-tibi0930:20181026181620j:plain

 作品の要所で出てくる謎の大きな黒い石碑のようなもの。この石碑には名前がありモノリスという。合計4回、この石碑は出現し、何らかの影響を人類に与えた。それぞれのモノリスについて出現した場面から、その役割を解き明かしたい。

 

第1のモノリス

 サルが他の動物と同じように草を食べ、肉食動物を恐れていたときに第1のモノリスは突然、サルたちの前に出現した。そのサルたちは好奇心からかモノリスに触れた。そうすると一匹のサルが動物の骨を使うようになり、それを武器として縄張り争いや、狩りに使うようになった。つまり道具を使えるように進化したのである。このことから第1のモノリスは「サルを進化させるもの」であったわけである。

 

第2のモノリス

 第1のモノリス発見から400万年後、人類は猿から進化し、宇宙へ飛び出せるまでになった。そんなとき、月の裏側で強烈な磁場が発生されていることを発見する。その場所を掘り返してみると巨大なあの黒い石碑、モノリスが発見された。博士たちがそのモノリスに近づくと超音波のようなものを発した。その超音波は木星へ信号を送るものだった。第2のモノリスは人間が月へ到着するほど進化したことを伝えるためのものだった。

 

第3のモノリス

 第2のモノリスからの信号を追って、木星へやってきた人類。途中、コンピューターの反乱があったが、何とか木星に到着した人類である宇宙船の船長ボーマンは木星の衛星軌道上で巨大なモノリスに遭遇。それから様々な景色(何色もの光の空間や不思議な色の大地)を見て、真っ白い部屋に着く。そしてボーマンはその部屋の中で年老いていく姿が映し出されている。第3のモノリスは人類のいる世界とは違う空間のようなものであるようだ。

 

第4のモノリス

 第4のモノリスは第3のモノリスの中で年老いてベッドに横たわるボーマンの前に突然現れ、次のシーンではボーマンは胎児になっていた。しかしただの胎児ではなさそうだ。後のシーンで胎児となったボーマンが地球を見下ろすシーンがある。地球を見下ろす、つまり我々の世界を見下ろす者、それは神である。つまりこの胎児とは我々を支配できる存在なのである。このことから第4のモノリスは「人類を進化させるもの」である。人類を支配できる存在を作るためのものなのである。

 

4つのモノリスからわかること

 これらのモノリスからわかることは、人類を意図的に操作する者の存在である。まず第1のモノリスにより人類を他の動物より進化させた。そして人類の進歩を図るための、第2のモノリス。そして第3第4のモノリスによりさらに人類を進化させたのである。映画内の第2のモノリス発見の場面でモノリスは自然にできたものでなく、意図的に作られ、埋められたものであるといっていた。そのことから神が操作しているのではなく、人間よりはるかに知能を持った知的生命体が人間を操作していることがわかる。人類より優れた知能を持つ生命体がいて、それが人類を操っている、進化させているかもしれないというのが私の感じ取ったこの映画からのメッセージである。

 

2.ポストヒューマン~人類を超える者

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 この映画では未知の生命体の存在以外にも非常に印象に残った箇所がある。それは高度なコンピューターであるHAL9000の反乱と人間がさらに進化した胎児、スターチャイルドである。この二つは人類の未来を表しているように感じる。つまりこの二つは新たな人類にとってかわる地球の支配者なのである。コンピューターなどの人工知能による支配もしくはスターチャイルド、つまり人間を超えた能力を持つ人間、バイオテクノロジーなどによって作られた極めて知能の高い人間などによる支配である。

 この映画内では人間は人工知能に勝ったが、スターチャイルドによる支配が行われたかは謎のままで終わった。他の映画でもコンピューター、AI(人工知能)やサイボーグ、知能発達した人間による反乱はよく描かれている。全てSFの世界の話でありえないのだろうか。

 

A.I.による支配

 人工知能(AI:Artificial Intelligence)という言葉が生まれたのは、1956年のダートマス会議

 現在でも、いくつかの知的な仕事で、コンピューターは既に人間を越えた。例えば、推理、計算の速度と正確性では、コンピューターの方がはるかに優れていた。そして、コンピューターができることはだんだん広がっていく。だから、コンピューターはいつか人間頭脳を越えると期待するのは空想的な考えではない。

 2012年1月、電脳将棋「ボンクラーズ」が、日本将棋連盟会長を破って話題を集めた。欧州では1997年、IBMのコンピューター・チェス「ディープ・ブルー」が、チェスの世界チャンピオンに勝った。

 これまでもさまざまなスーパーコンピューターが作られてきたが、このままスーパーコンピューターが成長し続けると、2025年には人間の脳内にあるニューロンのシミュレーションさえ可能になる。

(グラフ)Singularity is Near -SIN Graph - Growth in Supercomputer Power

黒の実線部分が実際の計画とスーパーコンピューター名、そして白い横断歩道みたいな線がトレンドライン、つまり傾向線。現在までの勢いでトレンドラインを描くと、なんと以下のようになる。

2013年……人間の脳の機能をシミュレーションするのに必要な演算が可能に。

2025年……人間の脳の神経をシミュレーションするのに必要な演算が可能に。

 

 計算能力は極めて大きい。例えば京速コンピューターは一秒間に一京回の計算をすることができる。一方、人間はたかだか一秒間に一回。

 フューチャリストらは、特異点の後では科学技術の進歩を支配するのは人類ではなく強力な人工知能となり、従って人類の過去の傾向に基づいた変化の予測モデルは通用しなくなると考えている

 IBMの研究者の計算によると人間の脳は38ペタフロップスで記憶容量3584Tbyte。現在世界最速のスパコンは20ペタフロップス(2014年調べ)、2020年には最速のスパコンは1000ペタフロップスを超えると考えられている。

 技術的特異点(シンギュラリティ)とは、今後も指数関数的に急激にコンピュータ性能が向上していった先に発生する革命的な変化のことをいう。若干長いが、引用する。

特異点とは、われわれの生物としての思考と存在が、みずからの作りだしたテクノロジーと融合する臨界点であり、その世界は、 依然として人間的ではあっても生物としての基盤を超越している。特異点以後の世界では、人間と機械、物理的な現実とヴァーチャル・リアリティとの間には、 区別が存在しない。

そんな世界で、確かに人間的だと言えるものが残っているかと問われれば、あるひとつの性質は変わらずにあり続ける、と答えよ う。それは、人間という種は、生まれながらにして、物理的および精神的な力が及ぶ範囲を、その時々の限界を超えて広げようとするものだ、という性質だ」(注1レイ・カーツワイル『ポストヒューマン誕生』(NHK出版) P.20)

 カーツワイル氏は、人間が作りだしたコンピュータやバイオテクノロジーなどのテクノロジーによって、100兆の脳細胞の結合(シナプス)の限界を超えて、膨大な情報量を扱うことができる「人間と機械が統合された文明」が登場するというのだ。

その時期も予測している。2045年頃である。 

 現在、一般に普及しているコンピュータは、ノイマン型と呼ばれ、指定された命令を順番に処理を行う。そのため、プログラムであらかじめすべての条件をプログラム化しておかなければ、性能を最大限に発揮できない仕組みになっている。 

 一方で、脳型コンピュータは、人間の脳のように、同時に複数の処理を行い、自律して考えて、成長することができる仕組みになっている点が大きく違う。脳型コンピュータが実現すれば、コンピュータ自らがプログラミングをするように変わるだろう。

 実は、コンピュータテクノロジーのパワーが急激に上昇していることで、ノイマン型コンピュータ上で、脳型コンピュータに近い技術を部分的に実現できるようになりつつある。実際に、我々も日常的に使うようになっている。 

 孫氏は、ヤフーやグーグルが行っている、ロボットクローリング技術を例に挙げながら、データの自動収集については始まっていることを上げ、「知恵と知識の2つのうち、知識、すなわちデータの自動集積については、実はすでに始まっている」(注3)と述べている。そして、「もう片方の知恵、これも脳を遙かに上回る機能のコンピュータが出現すれば、時間の問題でしょう。そのきざしが出始めています」(注4)と触れている。

 

人類を越えるコンピュータがでてきたとき

 そして孫氏は、重要な問題提起も行っている。不気味な未来像との争いである。

「人間の脳を遙かに超える能力を持つ脳型コンピュータが生まれて、しかも知識だけではなく、知恵まで自分で勝手に獲得していくようになったら、人間よりも頭の良いものができてしまう。(略)果たしてそれを許すべきか。科学技術の進化をそこまで許したときに、人間は制御できなくなってしまうのではないか。われわれ人類は、いずれこういった議論に直面することになると思います」(注5)

 孫氏は「300年後」と断っているが、本音としてはもっと近い未来にこうしたことが起きると考えていると、私自身は捉えている。

日経産業新聞 「技術燦々」

http://www.nikkei.co.jp/topic3/sansan/eimi097111.html

 コンピュータのCPUの性能は12ヶ月で2倍強の性能になるということですが、その計算で行くと2045年にはコンピュータの性能が人間の脳を超える。

ムーアの法則Intelの共同創設者、ゴードン・ムーアが1965年に提唱した、テクノロジーの進化は 直線グラフ的ではなく指数関数的(二乗.三乗など定数を掛ける勢いで加速する)に速まる」という一点だ。現在の知識で未来を予測することは現実不可能であり 変化というものは予期できない形で激しく爆発的に加速する。その結果、研究当初思いもよらなかった事が起こりうるという。

 

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終わりに

 最初の冒頭、音楽が流れ、映像が映らないとき、DVDプレイヤーが壊れたのかと思いました笑。また、冒頭から約30分間、一切言葉が出てこなく、「この映画は今まで見てきた映画とは全然違って異常だ!」と感じました。ただ、意味がわからなくても惹き込まれるのが、キューブリックの作品ですね。

【コンコルドの誤りに気をつけろ】漫画でわかりやすい行動経済学

 

◎今の仕事で活かせそう

・人は無難な選択をする 。松竹梅の提案では真ん中の「竹」を選びがち。

 これはSEとしてユーザーにシステムを提案するときによく使う。

  • 案1「工数とお金がかなりかかるが、大きく改修でき、ユーザーの要件を完璧に達成する」=(松)
  • 案2「工数とお金が短く、ユーザーの希望納期に完璧に答えれるが、小さな改修しかできず、要件も少ししか達成しない」=(梅)
  • 案3「ユーザーの要件のうち、重要な1つか2つの要件は達成し、かつ開発もそんなに労力をいらないので工数もお金も案1と2の中間くらい」=(竹)

 この中からだとほぼ確実に案3の竹を選んでくれる。言ったら案1と2は捨て駒。開発する側としても案3を選んでほしい。というか案1は絶対嫌なので多めに工数を言ったりする。

 

・スタバは独自のアンカリングを作った

 「値段」がアンカーだった喫茶店業界で居心地やおしゃれさといった「空間」をアンカーにして、売り上げを伸ばしたスタバ。今やってる映像編集の塾の中でも、「基本に忠実」に作られた作品より、「音楽を人より多くの種類を使っている」作品の方が評価されている。もちろん基本もできているのだが、その人独自の色を出せた方が評価されている。否定されても失うものはないのなら、評価される方に賭けるべき。だから他の人と被らないものを作る。

 

 

◎キャリアを考える上で意識したいこと

・人は現状維持したい欲が強い。

・人は複雑な比較を前にすると「選択しない選択」をしがち

 これはキャリアを考えるとき意識しておいたほうがいいこと。会社や職業はめちゃくちゃ多くて、色々考えてるうちに「選択しない選択」、つまり今の会社のままでいいやと思ってしまう。今の会社に入って3年目になるけど、年々新しいことに対する恐怖心や現状維持への惰性を感じる。やばい。

対策:

  • 常日頃から小さな「現状の延長線上にない選択」を繰り返すこと。例えば興味を持った今の仕事と全く関係ないイベントに参加するなど。
  • 現状維持は楽だけど、それで自分が幸せになれるのか、慎重に判断する。そして決断して出た答えを信じて行動する。

◎対女性に使えそう

・人は「コンコルドの誤り(すでにかなり投資したものをその後も損をするとわかっていても辞められない)」に陥りやすい。

 これは特に女性関係でありがち。色んな女の子とデートした中で、1回目のデートでかなりお金を使ってあげた女の子のことが一番印象に残ってる。今思うと初めて話し他ときも反応悪く、全然合ってなかった。それやのにその後もしつこくラインして既読無視されてた笑。話してて、反応悪かったら早めに損切りして次に行ったほうがいい。お金を使わなくても見抜ける。

・話をするときは「ピークエンド」

 話していて一番感情が盛り上がったときに、話を終わることで、また話したいと思ってもらえること。これは今まで意識して試したことがない。

・人は損をしたくない。特に女性はその傾向が強い。

 だから最初の頃のデートは断りやすく誘う。断るのは労力がいるから。軽いところに軽く誘うこと。また、1夜限りの関係なんかは大抵の女性にとって大損。だからこそ、ハードルを低く低くしてあげる。また、必ず男から誘うこと(先に損を被ってあげる)。なかなかこれはできてないけど、理論的に女性の心理を考えるとやらなきゃダメだよね。

【読書メモ】スプツニ子って何者?(『ぼくらは働く、未来を作る』)

スプツニ子、名前はよく聞く。けどどういう人なのかは知らないんだな。

最近、知り合いの映像プロデューサーの方から名前を聞いて、少し調べてみようと思った。

 この本の中では、

サイエンスと融合したアート作品を世界に発信しています

彼女の作品はYouTubeで見れる。曲と映像のテンポが良くて見てて楽しい。楽しい理由は、それだけじゃなくて、作中に出てくるハイヒールをつけた足跡をつけるためのロボットも発想が可愛くて面白い。確かにサイエンスとアートが融合してる。文脈から考えると、ベースはアートでそこにスプツニ子が培ったサイエンスの知識を入れてるイメージか。ほかにも歌では「ちんこの歌」、モノでは「チンボーグ」なんかを作ってる。ちんこ好きだな。


Sputniko! - The Moonwalk Machine - Selena's Step/スプツニ子! 「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」

 ○チンボーグ

Penis Cybernetique - Chinborg -

 

「観測されないと存在が確定しない」

YouTubeで映像を配信し始めたきっかけだそう。どんなにいい映像やモノでも見つからなかったら、伝わらない。他の本でも言ってたことを考えると、彼女の考えのベースなのかも。

このメッセージを伝えるためには、どんな要素を組み合わせる必要があるかって、計算式みたいに組み立てています。

伝えるために、一番効率的な方法を考える。どんな仕事でも大事。

「デザイン・フィクション」(中略)アートの力で既成概念を揺さぶったり、議論のきっかけを作ったりする試み

 

下記のサイトで、スプツニ子自身が詳しく解説している。

 https://www.k-opti.com/announce/kopt/img/vol30.pdf

また、下記のサイトでもスプツニ子以外の人だが、詳しく解説されている。これだけで1記事にまとめてみたほうがいい。

ekrits.jp

 

「何者かわからない存在」でありたい

 

と語っている。なので、ぼくが「何やってるかよくわかんない人」と思ったのは、彼女による戦略なのだと感じた。

 

 

【読書メモ】ダンナ様はFBI

 

ダンナ様はFBI (幻冬舎文庫)

ダンナ様はFBI (幻冬舎文庫)

 

  FBIの仕事ってどんなんだろうと軽い気持ちで読んだら思ったより良書。FBI式人間関係攻略術なんかが書いてあった。

 

やることは、

・青信号点滅時や踏切鳴ってから渡らないこと。焦って走るようなことはしないこと。

・初めてあった人には、大げさなほどの笑顔の先制パンチを2度食らわすこと。

・最初の1分間は、その人個人にフォーカスしたごく簡単な質問をすること。

・どんなに面倒臭くてもやらなくてはと思っている自己投資を行うこと。

 

◎人を見た目で判断する

人間は昔から、人の外観から注意深く敵か味方かを判断して生き延びてきたから、直感的に、どんな人かはわかってしまうものなんだ。(中略)ダーリンはそれでいいと言った。自分なりのグループ分けができれば、どのような集団を相手にしても対応できる。ぼんやりと眺めるのではなく、分類して捉えることがまず大事だという。

 作中では、著者がダーリンの指令で3日間、女性を瞬時に4つのタイプに分類し、自分がそう判断する理由を言語化する訓練を行っていた。その4つが、

  ・話しかけやすい女性

  ・気位が高そうで、話しかけにくい女性

  ・気遣いをしそうな気の弱い感じの女性

  ・できるキャリアウーマン

 服装や髪型などの見た目はその人が何を伝えたいか、自分がどう受け取って欲しいかと言うメッセージ。しっかり受け取り、あなたの仕事ぶりのどこを受け止めたかを、会った瞬間に積極的に言葉にすることが大切。

 

◎集団インタビューでの進行の仕方

そして集団にアプローチするときには、平均値を持っている雰囲気の人間を軸にするのが鉄則なんだ。(中略)最初に彼女が発言すれば、他の参加者も安心して、場の空気を読むことができる。(中略)つまりダーリンは、人が何人集まろうと最初は、誰もが安心する平均値の真ん中の人を見定めて、その人にまず話を振る、次に話しかけにくい人や、鋭いことを言いそうな人を挟み、最後は気の弱そうな人に安心して話させよ、それを質問ごとにあるいはテーマごとに繰り返せ、というのだった。 

 

◎青信号点滅は走るな

 「忘れたのか。行動はくせになり、君の習い性になるってことを。(中略)ちゃんと準備して仕事に臨むことが大切なのに、案外簡単に仕事が済んでしまったら、そう、まるで青信号点滅で渡ってしまうことができたら、その味を覚えてしまうだろ。そうなると緻密さがなくなり、ジタバタが習い性になり、とにかくそこそこで間に合えばいいという甘さが出てくるんだよ。」

  著者が青信号が点滅し、走って渡ったときのダーリンの言葉。

 

◎有効なインタビューのスタートには、笑顔の先制パンチ

その1時間を有効にスタートするためには、いかに表情が大切かを何度も私に説いた。とくに、会った瞬間の笑顔は、大げさのほどにはっきり笑うことが大事だと言った。「人間は、どんなに成功しても自信があっても、初対面の人間には緊張する。これはもう本能だから仕方がない。(中略)アメリカ人になったつもりで、はっきり、大きく、チャーミングに笑顔を作れ」 

  著者は何度も一瞬で笑顔を作る練習を鏡の前でした。僕を含めて日本人は意外とうまく笑えない。練習が必要。

 

◎出会って最初の1分間は、相手に尊敬を伝える時間

世間話ではない。その人にしか答えられない質問を投げかけるのだと言った。そのためには、本人の何かに着目する目線が必要だ。細やかな関心を持たないと聞けない質問は、必ず、相手に、私はあなたを知りたいというメッセージとして届くとダーリンは言う。 

 

◎今やらないと後日では出遅れたと思い、余計やらない

後悔しないようにするためには、やらなくてはと思っていることを実行するんだよ。面倒臭くても、行きたくなくてもね。 

  作中でもダーリンは自己投資にお金を惜しまなかった。お金も大事だが、後悔して自分の中にずっとしこりを残してはダメ。コンプレックスになってしまう。

 

◎自分を大雑把に括らない。ニッチ万歳。

妻であり、母であるなんて大雑把な括り方を自分に許すな。もっと、やりたいこと、得意なこと、放っておいても関心が向きお金や時間を使ってきたことがあるだろ。化粧品の効能表現をノート何冊にも書いているのは、君の興味だ。以前から日本の文学書の中から、美しい肌の表現を拾い続けているって言ってたね。ニッチでいいじゃないか。そこを攻めていけばいいよ」 

 著者が母だからと言う理由で子供関連の仕事をやろうとしてやる気が起きなかったときのダーリンの言葉。自分を大雑把な括りで捉えたら自分の好きなものが見えなくなるのかも。ニッチで良い。むしろニッチ万歳で好きなものに尽力するべき。 

【読書メモ】

 

1.自分のモチベーションについて

 人の幸せは5種類に分けられる。

 「達成」「快楽」「没頭」「良好な人間関係」「意味合い」の5つ。

 僕の親世代は、自分の身の回りに「モノがない」時代だった。だから物理的なモノを求め、「達成」「快楽」が幸せの源となりがちだった。今の若い世代は、生まれた時から自分の身の回りに「モノがある」時代だった。だから物理的なモノよりも精神的な「没頭」「良好な人間関係」「意味合い」が幸せの源となりがち。もちろん世代で分けるのは大きすぎるが、僕は間違いなく後者が幸せの源となっており、僕の親は前者が源となっている。今まで意見がぶつかるばかりだった親の価値観の根底にあるものを理解する手助けになった。そして、自分のモチベーションを引き出す軸が視覚化され、意識しやすくなった。

 

2.これからの時代の戦い方

 美味しくて安いものが世の中に溢れている昨今では、消費者の欲求はうんと多様化しています。(中略)よって先に消費者の潜在的な欲求を見つける必要が出てきました。

 

今は「どう遊ぶか」までを、提案してあげなければなりません。(中略)体験をプロデュースしていくのが、これからの仕事なのです。 

 

 例えば僕は、転職した先でいつも真っ先に地味な仕事から手をつけます。(中略)誰もがやりたがらない作業を率先してやることで、「いざとなったら、地味な作業もきちんとやってくれる」と周囲に信頼されるようになります。(中略)周囲からの信頼感を得ているからこそ、自分がより得意なことに専念する状況を作るスタートラインに立つ、ということは忘れないでいてくれると嬉しいです。いつの時代も、人は信頼が全てです。

 

そして頭脳は人工知能によって効率的な仕事に追いやられて、次の資本は非効率を産業としていく嗜好になっていくのです」。(中略)「 自分が何を好むかという情報はこれから勝ちになります」と語っています。

 

3.強いチームの作り方

ストレングスファインダーを使用して、自分の強みトップ5を紙に書き、それを見せ合うゲームにて。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
 

 自分の強みとひとつも被らない人がいたら、それはあなたにとって学ぶべきところの多い、先生のような人であり、弱みを補完しあえる関係にある人です。(中略)

また、日本人は診断テストが大好きです。このようなゲームを行うと非常に会話が弾み、お互いの強みを理解し合うことができるだけでなく、コミュニケーションも円滑になっていきます。

 

つまり、今の自分にはないけれど、育てたい強みがあれば、その強みを鍛えられそうなプロジェクトに会えて飛び込むのも面白いです。 

 

・差異を理解し、理解されることが価値になる

「価値とは、差異×理解」だと言い表しました。要するに、人との違いも、相手や周囲に理解されなければ、価値を発揮しませんが、きちんと理解できるようになれば、途端に、その違いが価値に変わるのです。(中略)

その理解を広げるために便利なツールとして、僕はストレングス・ファインダーや偏愛マップ、トリセツをいろんな組織やプロジェクトの立ち上げの時期によく使っているのです。

なぜなら、人は、その特徴を言葉に落とし込むことによって、相手を理解するからです。 

 

複数の人が集まる場所では、放っておくと誰もが単一性に寄っていきます 。

 

強い組織を作り上げ、最高のチームになる鍵は、それぞれの強みや好きなことを理解し、一人ひとりの違いを認め合うこと。逆に言えば、それができなければ、変化に弱いチームになってしまいます。 

 

・仲間を信頼することの重要性

違いを認め合うことと同じくらい重要なことがあります。それは、「相手を信頼して任せる」ことです。なぜなら、メンバーやパートナーをいちいち疑って、信頼できずにいると、そのぶん動きが鈍くなってしまうから。 

 

・心遣い、配慮や共感がクリエイティブなチームを作る

 最後にGoogleが突き止めたクリエイティブなチームの特徴を挙げましょう。(中略)最後にいきついたのが、「お互いの心遣い、配慮や共感」でした。

これがない組織では、失敗すると恥をかくのではないか?と冒険しなくなります。

 

4.自分の「好き」「歪み」を育む方法

・生きてれば迷惑をかけるのはお互い様。そのぶん「ありがとう」と言ってもらえる行動をすればいい。

自分の「好き」を貫くときのお邪魔虫。それは、今の日本人にかけられた「迷惑をかけちゃいけません」という“呪い”です。(中略)もし誰かにちょっと迷惑をかけてしまったら、そのぶん「ありがとう」と言ってもらえる行動を起こしましょう。そして誰かに「ごめんなさい」と言われたら、「おたがいさま」と言って、迷惑を受け止めてあげられる笑顔を見せましょう。

そうやって少しずつ、自分にかかっている“呪い”をといていきましょう。 

 

・好きなことに打ち込んでる姿は、見ている人を元気にする。

好きなことに打ち込む熱量は、見ている人を元気にします。これが(中略)人に残された大事な役割です。 

 

・まずは「育てる」ことから。中途半端に外に出してはいけない。

自分のなかの「好き」や「歪み」をどうやって育てていけばいいのでしょうか?

それは、まずはアウトプットを目的とせずに、ただひたすら「没頭」すること、だと思います。(中略)

人との違いが自分にとって確固たる強度なものへと成長する前に、他の人にアウトプットしてしまうと、他人の評価軸や基準を取り込んでしまい、折角の歪みがなくなってしまうかもしれないのです。 (中略)

自分にしか見えない色や風景は、こっそり育てていくのがいいんです。

 

・楽しそうにやっていれば大丈夫。

でも大丈夫。あなたが心底楽しそうに没頭し、それが少しずつ形になっていく背中を見てるうちに、周囲の人はだんだんと巻き込まれ、応援してくれるようになります。 

 

この中ですぐにやり始めることは、

・仲間を信頼すること、お互いが信頼し合うチームを探し出すこと

・自分の「好き」「歪み」を大切に育てること。

【今日の学び】プライドの捨て方・正しい姿勢の保ち方

【プライドの捨て方】

今持ってるプライドは、自分にデメリットを及ぼしてることの方が多いな〜と思う今日この頃。ならプライド捨てちゃえということで捨て方を学ぶ。

 

ネットで調べて印象に残ったこと

・断られることになれる。

「断られるかも」と悩み、メールやお願いをしないということがある。でもそんなの自分の思い込みの方が多い。とりあえず聞いてみる方がいいのに。たくさんの「NO」をもらうことに慣れる。自分の思いに素直になる。

・挑戦する

普通だけど、最近できてない。大きなことじゃなく、例えば、自分とは場違いなとこに行ってみるとか。あとは英会話や他の言語を勉強してみるとか。

挑戦すれば、失敗して当たり前。それも楽しむことが自分が今大事にしてること。

 

道をひらく

道をひらく

 

 

【正しい姿勢の保ち方】

・両足の踵と踵をつけ、指先を少し開き、足の指を花びらのように開いて立つ。

・歩くときは、踵から着地。重心がかかとの中央、やや外側から足の小指の付け根に、足の裏を転がすように重心を移動 する。小指の付け根から親指の付け根の方に徐々にに移動させ、足の指全体で地面をつかむような動きが加わり、 ここで親指にぐっと力を入れて踏み込む。(重心は足の外側→小指の付け根→親指の付け根)

重心が親指の先あたりまで移動したら、後ろ足で地面を軽く蹴り出す。

 

これだけで体全体に力がみなぎる(らしい)。

久々の冒険

ほんで久々のブログ更新

 

理由は、旅行を決定させたから。

 

行き先は、トルコ&イスラエル

期間は12/30〜1/7

 

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特にイスラエルは学生時代からとにかく行きたかった。

3つの宗教の聖地と今も続くパレスチナ問題。

 

大学2年の時、ボスニアサラエボに行ってからずっと興味を持っていた「民族・宗教の違いによる争い」。そして「争いによる文化の混成」。

なぜ人は民族や宗教の違いで争い、殺し合うのか。

ラブ&ピース精神じゃなく、ただ興味がある、知的好奇心をくすぐられる。

そのテーマの中でも、自分が一番興味を惹かれているのが「イスラエル」。

そこに年末・年始に行ける。最高にドキドキしてる。

久々の海外旅行、しかも完全な海外一人旅はこれが初めてで、しかも行き先が「トルコ・イスラエル」て.....不安だ。

でも行くと決めた、決めることができた。自分の興味の赴くままに。よくやった。

 

これからは、悩んだら「やる」方に行動したい。その第一歩。ハプニングも全て楽しみたい。その中で、自分の知的好奇心をくすぐるものを、映像か何かに残したい。自分は面白いのものの媒体でありたいのかも。

 

とりあえず12月の世界遺産検定頑張ろう。ちょっとやばい。

【映画分析】時計仕掛けのオレンジ(※ネタバレあり)

 

 現在プライム会員なら無料で観れる、スタンリー・キューブリック作「時計じかけのオレンジ」について、過去に行った映画分析です。

つらつらと書いただけなんで、かなり読みにくいものとなっていますが、何かの参考になれば、また自分の文章の記録として。

 

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  • あらすじ

 近未来のロンドン、アレックスは仲間たちと超暴力で毎晩楽しく過ごしていた。ライバルの不良少年たちとの喧嘩、ホームレスへの暴行、政治的作家の家へ襲撃しその妻をレイプする。その翌日、担当の民生委員が訪ねてきて、近い将来社会が無法状態になる恐れを語るがアレックスは気にもとめない。その夜、中年女性の家を襲って彼女を死に至らしめた彼は、仲間に裏切られ、逮捕される。刑期は16年であったが2年目に自ら「ルドウィコ療法」の被験者に志願する。それはセックスと暴力が嫌悪の対象に変わる治療法であった。治療を終えたアレックスは社会に戻されるが、そこにはもう彼の居場所はなかった。両親から拒絶された後、かつて暴力をふるった人々からアレックスは報復される。しまいには、アレックスへの治療を現政府の失敗として扱うために反政府派の作家に保護される。しかし、歩けなくなった作家の家で彼が自殺を図ったことから政府は施していた治療を解除して、彼を昔の凶悪な人間に戻す。

 

  • 原作

 イギリスの作家、アンソニー・バージェスが1959年に脳腫瘍で余命1年と宣告された時に短期間で書き上げた5つの作品の中の1つ。彼の先妻は第二次世界大戦中にロンドンでアメリカの脱走兵に襲われた。妊娠していた彼女は流産し、うつ状態になり自殺を図る。先妻を死に追いやったアルコール中毒に自分もなりながら書いた作品。

 「それが暴力に対処する唯一の方法だった。私は暴力が耐えられない。暴力が憎い。暴力を紙に書き付けることに責任を感じている。暴力行為を文章にしたら、それはその行為を作り出したということなんだ!それを実際にやったのと変わらないんだ!今の私はあのクズ本を嫌悪している。」

 

  • ナッドサット語

 バージェスが1961年に妻と共にソ連を訪れた際に思いつく。映画の中で字幕の下に線が引かれていた。英語化されたロシア語、幼児語、それにジプシーの言葉やリズミカルなスラングが賑やかに混ざった人工言語。バージェスはロシア語の「十代」を表す接辞語から「ナッドサット言葉」と名付けた。

例)ドルーグ=友達

  イン・アウト・イン・アウト=性交

  デボーチカ=少女、娘

  ホラーショー=良い、素晴らしい

  トルチョク=打つ、殴る

 

  • 服装

 アレックスと仲間たちはバレエ・ダンサー風の衣装を着ている。また、猫をかっていた女の人にいたってはバレリーナの練習タイツを着ている。衣装と音楽によって暴力シーンがまるで舞踊のように感じられる。さらに、アレックスは本来女性のものであるつけまつげをつけており、さらに右目のみにつけられている。昔のイギリスでは出兵する兵士と恋人が「再び対になれるように」とピアスを女は右耳、男は左耳につける習慣があり、男が右耳につけることはゲイであることをあらわす。この映画は女性の性に焦点を当てている感じもあるが、同性愛の象徴も様々なところで見られる。このつけまつげもその一片なのではないだろうか。

 

  • 「ベートーベン第九」と「雨に歌えば」

 「時計じかけのオレンジ」以前には頼まれ仕事の「スパルタカス」を除き「アクションの山場には音楽は不要という原則があった。キューブリックは原作に出てくる様々な古典名曲・架空の曲を全て第九一つにまとめている。ベートーベンの第九の第4楽章の「歓喜」の主題は欧州評議会において「欧州の歌」としてヨーロッパ全体を称える歌として採択されているほか、欧州連合においても連合における統一性を象徴するものとして採択されている。このような音楽と暴力少年であるアレックスを組み合わせることによって知性と暴力は紙一重だということをあらわしているのだと考えられる。また、第九と「雨に歌えば」は最初、アレックスにとって歓喜の歌である。第九が最初にでてくる場面は作家の家を襲撃して音楽を聞きながら一日の終わりを迎える場面。また、「雨に歌えば」が最初に出てくる場面は作家の家を襲撃した場面である。しかし、この二つの曲は次に出てくるときアレックスにとって悲劇の歌となる。第九が次に出てくるときはアレックスがルドヴィコ療法を受けている際にナチスの映画を見る場面。また「雨に歌えば」が出てくる場面は過去に襲撃した作家の家で風呂に入っているときに犯人であることを確信させてしまう場面である。最終的に第九は大臣と会見した時に再び歓喜の歌へと変わる。それだけではなく、場面によって第九の音源は使い分けられている。

 

  • ジョージ・ウォレス暗殺未遂事件

 アーサー・ブレマーが大統領選挙のキャンペーンを行なっていたアラバマ州知事ジョージ・ウォレスを狙撃し逮捕された事件。ブレマーがつけていた日記によると「『時計じかけのオレンジ』を見てずっとウォレスをやることを考えていた。」と書いている。

 

 ロンドンの下町の言葉であるコックニーの「時計じかけのオレンジのように変な」という言葉に由来する。ここでいうオレンジとはオラング(人間)の派生語だと考えられている。また原作によるとアレックスたちが襲撃した作家が書いていた小説の題が「時計じかけのオレンジ」となっている。このことからバージェスが作家と自身を重ね合わせていたことがわかる。また、原作では最後にアレックスは自発的に更生するというエンドを迎える。しかし、キューブリックはそれでは話の趣旨に合わないと却下し、話を途中で終わらせている。自由意思を奪ってロボットのように作り変えても人間は本能的に暴力に惹かれる、ということをキューブリックは表したかったのだと考える。

 以下、個人の考えとなるが「時計じかけ」という意味は政府によって悪行を働かせないように作り変えられることを意味しており、「オレンジ」では、人間は、他人の手が加えられなければ、善の選択をすることができないということが農薬で育てられた画一的なオレンジに連想づけられているのだと思う。

 

 刑務所付き牧師の言葉 「選択! 本人が選ぶ能力がないじゃないか。私欲と肉体的苦痛の恐怖が彼 を醜悪な自己卑下に駆り立てるんだ。そこには誠意のかけらもない。非行は防げても道徳的選択の能力を奪われた生き物に過ぎない。」

オレンジとは人を表します。つまり時計じかけのオレンジとはある者によって時計のぜんまいをまかれた人、自己による選択ではなく他のものによって道徳的判断をする人のことである。牧師の言葉からもアレックスが時計じかけのオレンジになってしまったことがわかる。

 

  • ペットの蛇の死

 蛇はアダムとイブの物語からも「悪者」という印象が強くアレックスに「悪」という印象をつける効果がある。しかし蛇はアダムとイブにリンゴを食べさせ、善悪の知識を与えた者ともいえる。それ以前の人間は神によってすべてを支配された者、善悪の判断すらも全能の神によって支配された者、つまり「時計じかけのオレンジ」であった。それが蛇によって善悪の判断や知識が人間に与えられたとみることもできる。それが「悪」から来る判断であってもだ。アレックスが家に帰ってくるとペットの蛇は死んでしまっていた。これは善悪の判断の死を表し、神に善悪の判断を支配されていた人間と同じように政府によって善悪の判断を支配されたアレックスを表しているとみることができる。

 

  • ルドビコ療法

 暴力的な性格など精神的な疾患を外科的な治療を施すルドビコ療法はすぐにロボトミー手術を連想させる。1935年、エガス・モニスによって発明され、その後多くのロボトミー手術が行われた。ロボトミー手術で切除されるのは前頭葉である。前頭葉は最も人間らしい知的活動をつかさどる部位である。それを切除されるということは暴力的でなくなるかもしれないが人間的な判断を行うことができなくなるのだ。

【英語エッセイ】なぜ日本人と西洋人でロボットに対する関係が違うのか?

タイトルの題で過去に書いた長め(本文6頁)の英語エッセイ(↓一番下リンク)。「日本人はアトムとかドラえもんとかロボットと仲良くする作品が多い。でも西洋の映画、例えば“2001年宇宙の旅(スタンリーキューブリック作)”などでは、ロボットが反乱を起こす作品が多いのだろう?」という思いつきをベースに始めたエッセイです。

なので、前提の論理自体がガバガバですが、過去の記録として。

 

"Why is there the Different Relationship between  Robots with Japanese and with Western?"

http://yusukekuro.weebly.com/uploads/6/2/4/0/62406319/why_is_there_the_different_relationship_between_robots_with_japanese_and_with_western_2016_01_28.pdf